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十間ハウス

           

十間ハウス

十間ハウスの施主夫婦とは福井ケーブルテレビの「5スペる」という番組がきっかけで出会った。
知人の誘いで出演したその番組で僕の建築を紹介したわけですが、その時のリポーターの広瀬さんという方が、僕の建築や考え方を気に入ってくれて「出村さんの建物に対するこだわりを聞いていると、この家1棟だけでも5時間番組が作れそうですよ。」と冗談でも嬉しいことを言ってくれた人でした。

その広瀬さんが、取材も終わろうとしている時に「実はですねぇ、僕の友人で家を建てようとしている人がいまして…」と、そんな感じの流れで施主夫婦との接点が生まれたわけです。
十間ハウスの敷地は240坪の畑の一角を住宅用地として分筆するということでした。当時はハウスメーカーや工務店等、数社提案を受けていたが まだ決めかねているという状態でした。最初の顔合わせで、今までの経緯や要望を聞いていると、施主夫婦の生活に対する考え方やリズム、スタイルが僕の設計にかなりピッタリとはまっていく感覚があり、「これは何が何でもやらせてもらわなければ。他の会社になんて任せておけない。僕じゃないと!」 ちょっと不遜でしたが、今思えばかなり前のめりでプレゼンに挑んでいたような気がします。
その後 打合せを重ねて、最後は超高気密高断熱を売りにするハウスメーカーとの一騎打ちの結果、僕が設計監理をさせてもらうことに。施主夫婦には、構造や断熱等の技術的な部分も含め 僕の住宅に対する考えに共感してもらい、信頼関係が築けたし、何より“畑と繋がる家“というコンセプトを気に入ってもらえたのだと思ってます。

十間ハウスはおおらかな住宅です。
外観は名前の通り南北に10間(18.2m)の細長いシルエット。最高高さも5.8mとほとんど平屋のような階高となっている。畑の一角に建つ住宅なので そびえるような圧迫感のある建物にはしたくない。畑に馴染むような外観というのが常に頭にあった。その畑に面して玄関や 長い濡縁と大きな開口が畑に向かって並んでいる。そして住宅と畑の間には庭と背の低い板塀が配置され、枕木を敷詰めて作った小道でそれぞれをゆるやかに繋いでいる。
内部はあまり間仕切りで区切らず、包容力のある やわらかい空間を、細やかな納まりが適度に引き締めている。また、この家は猫を飼うことを前提に計画されているので、人の動線とともに猫の動線も考えられています。キャットタワーや猫用の通路、トンネル等を組み合わせて上下運動と回遊性をもたせて彼らがストレスなく伸びのびと暮らせるように考えました。
竣工まで長かったですが、お互い共感できる部分が多くて とても楽しく仕事をさせてもらいました。今後、農具やタイヤ、自転車などを片付ける小屋なんかを造れたらいいねと話したりもしていたので、また近い将来一緒に仕事ができる時が楽しみです。
その時は、そしてそれからも、よろしくお願いします。

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