はじめまして

僕は住宅をメイン(時々小店舗)に設計・監理の仕事をしています。
“性能に裏打ちされたデザイン”というのが、僕が独立当初から心掛けてきたことですが、ここ数年は特にその重要性を身に染みて感じてます。
性能というのは、断熱気密や耐震、防水等いわゆる基本性能と言われる要素もそうですが、質感等の素材特性や地域特性(日照率や温湿度等)に素直なプランであるか、視線の動きをどのように誘導するのか等々、一口に性能といっても熟慮すべき要素は多岐に渡ります。

施主の中には、意匠はともかく基本性能部分は、プロだから当然分かっているだろうと思う人も多いと思いますが、実際にまともに理解出来ている施工者や設計者は残念ながらまだまだ少数派(というか殆どいない…)です。
当事務所では、これらの性能を温熱シミュレーターや許容応力度計算ソフト等で具体的な根拠をもって設計しています。特に断熱気密については単純にコストを掛けて高性能の断熱材等を使っても、原理を理解してなければ、無駄な費用をかけて効果が低いばかりか、かえって不快になることも良くあるので、物理の基礎はもちろん周辺環境や地域特性を十分理解してシミュレートすることが大切だと思ってます。
それに温熱環境の優劣は施主自身も入居後容易に実感してもらえるし、家族全員の健康や快適性、生産性に(施主自身が思っているよりも)大きく影響する要素なので、費用対効果も含めて現実的な提案をしています。
また、視覚的要素も性能の一部で、僕もとても気を遣う要素だけど、それを主とした いわゆるデザインの為のデザインは(特に住宅では)しないよう自戒してます。そういったデザインは結局施主の不利益になることが良くあるからです。

上記のような最低限必要な要素にプラスして仕上素材の質感や空間構成が合わさって、ずっと居たくなるような居心地の良い空間、住宅の場合は、過度に主張せず長きにわたり相棒になってくれるような住まいを造っています。
自分に地域全体の建築を変えることはもちろんできないし、寧ろできる事は本当に限られているけれど、せめて僕が関わった施主家族にはアクティブでストレスの少ない幸せな暮らしを送ってもらいたいと思ってます。そのために建築にできる事はとても多く、大きいのです。

最後になりましたが、温熱環境の考え方について師事させてもらった松尾設計室 松尾和也さんのHP https://matsuosekkei.com をご紹介します。 松尾さんは省エネ設計分野の第一人者で、僕の設計にも大きな影響を与えてくれた人です。HPでもデータや実例をあげて詳しく説明しているので、これを読めば、住宅性能に関してはそこら辺の建築士よりよっぽど詳しくなれます。興味があれば覗いてみてください。

二級建築士:出村昌也
1976年 福井県生まれ
2009年 福井市高木町にてDEMU建築設計事務所設立
2019年より越前市に移転