木造の階段 無垢とか積層とか。

階段を造る場合、みなさん何で造っているのでしょうか。
ほとんどは木製だと思います。
僕の事務所でも大体は木造です。
「岩本の住宅」のように鉄骨で造る場合もありますが、予算の都合もあるので、やはり木で造る場合が多いです。
仮に鉄骨で造っても、歩行感や手触りを考えて、踏板や手摺は木にする事が多い。

で、木造の階段でも色々あります。
建材物の階段だと合板に突板やシートを貼った物が多いと思いますが、僕は積層材か無垢材で造ってます。造るのは大工ですが。

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1月に引き渡した春江の住宅の階段です。
これもカメラのISO感度最大で撮ってしまい、写真写が悪くて分かり辛いですが、積層材の階段です。
僕の事務所では良くやるディテール。
踏板も蹴込板(立上りの板)も30mm厚の積層材で造ってあります。(見えてる厚みは9mmですが)
すべて同厚で仕上げる事で、30mmという階段の材としては比較的薄い材でもとても丈夫だし、割合安価に製作できます。


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今回は蹴込板を斜めにしてみました。
垂直でも問題はなかったのですが、踏板が狭い場合は斜めの方がスムーズに上り下りできます。
斜めにすると納まりが複雑になるのですが、プレカットで加工が可能なら大工の手間も省けるので、ダメ元でプレカット加工できないか提案。
意外にもできるとのことで今回初めて取り入れました。
プレカットでスリットを含めた細かな加工をしているので、大工が複雑な加工をする必要はありません。
地味なディテールなので、施主は気付かないかも知れませんが綺麗な階段に仕上げてもらえました。

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上の写真も先月引渡した「殿下の住宅」の階段で、杉の無垢材で造ってあります。
地袋家具と組合わせた階段なので、大工さんも苦労されたと思います。
この階段も、踏板・蹴込板共に30mm厚の板を組合わせているのですが、実は無垢材でこのような納まりにすることは珍しいと思います。

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ほとんど隙間なく綺麗に納めてもらってます。
前に似たような納まりの無垢材の階段を見させてもらった事がありましたが、引渡し前だというのに踏板と蹴込板の間が5mm以上すいていました。
階段裏も見えるデザインなので、意匠上ビス止めしたくない。で、ボンドで接着したけど無垢材の反りの力に負けてボンドが剥がれちゃったのでしょう。
「無垢材でこんな納まりにするから悪いんだ」と人事のように社長がぼやいていましたが、(そりゃ、技能が足りないだけです)と内心思っていました。(見学させてもらったのにすみません)

建築の現場にいると度々似たような事を聞くことがあります。
不具合が想定される場合。→「安易な代替案で妥協」または「そういうものだ。しょうがないと開き直る」
でも、そこで思考停止せずにどの部分が問題なのか。どうすれば解決できるのか。対策案にデメリットはあるのか、許容できるものか。等々、考えることをあきらめたくないと思ってます。

「殿下の住宅」も同じく階段裏も見えるデザインなので、その辺を踏まえつつ、反り対策として色々と工夫がしてあります。
引寄せ力の強力な特殊ビス+ボンドで留めてあるのですが、当然ビスは見えませんし、ダボ埋木もありません。
無垢材である以上、ある程度は反ると思いますが、今後も見苦しく隙間ができることはないし、床鳴りもないと思います。

今度は「岩本の住宅」の鉄骨階段についてブログ書こうと思います。

ではでは。

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