剛床のネダノット

曇天が続く中、「岩本の住宅」の屋根工事が概ね完了しました。
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僕の事務所では床組を剛床という工法でやっています。
過信はできないが面剛性も高いし、施工性も良いので 今では割と一般的な床組工法の一つです。
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で、その床合板をN75という太め釘で躯体に打付けていくのが主流ですが、僕はネダノットという剛床専用の特殊ビスで施工してもらっています。
釘でも構造強度的には問題ないと思うのですが、剛床はまだ実績の浅い工法なので、長期的な部分で床鳴り等心配な部分もあり、その対策ができているネダノット、というわけです。

でも、このネダノット、施工性に若干難があります。
釘は「テッポウ」と呼ばれる自動釘打ち機で連続して打いくのに対し、ネダノットはインパクトドライバーで1本1本締め付けていきます。
しかも、インパクトドライバーは打撃を加えながら締め付けていく工具なので、振動と音はかなりのものです。
それを屈んだ体勢で合板1枚につき40本近く、全部で数千本 締め付けていくので、「頭がおかしくなりそうだ」と過去に言われたことがあります。

余談ですが、道具コレクターでもある その棟梁はネダノットのために静音仕様のマックスのインパクトを購入して、僕に見せながら「好きな道具を買って、それを使うために大工をやってるようなもんだ」と言ってました。
僕にとっては皮肉ともジョークとも真理ともとれる言葉で、感心しながらも耳が痛かったです。

打ち終わってしまうと、釘も専用ビスも、見た目には変わらないので、施主はあまり分からないと思うのですが、そのビス1本にも大工さんの努力がつまってると少し分かって欲しくてこの記事を書きました。
まぁ、やってもらってる僕が言うのは大変におかしな話ですが・・・。

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