源平の軒天
demu事務所では軒天は構造材や野地板を顕しにすることが多いが、十間ハウスでは諸般の事情?により杉の羽目板を張りました。
十間ハウスには長い長い濡縁があって、その上には同じく長い軒天が伸びてます。
(足場で隠れちゃって見えてないけど・・・)
雨掛りのすくない軒天に杉板を張る場合、見た目にキレイな白太の節なしを使う場合が多いようだけど、今回は源平(赤太と白太混合)の節あり板を採用。
白太と比べるとずいぶん野性味がありますよね。
ここらへんは好みの分かれるところですが、住宅の全体のバランスや施主の趣向性、コストバランス等を考慮して選定していきます。
塗装もこの風合いを殺さないような塗料を選びます。
これは軒先の写真です。
軒天の壁際に換気スリットがあるのが分かります?
拡大すると・・・。
軒天と外壁の取合いを下から見上げた写真です。
換気スリットの中にパンチングメタル状の防虫網があるのが見えます。・・・見えます?
・・・まぁ、あるんです!
今回、軒天を杉板にしたので、既製品の鋼製換気スリットは使いたくなかったので、大工さんに造作してもらいました。このスリットから外気が入って、棟(屋根のてっぺん)に設置された換気スリットから抜けていきます。
今日は天気が悪いので、屋根の換気スリットは後日写真撮ってきます(・・・軟弱)
demu事務所では外壁や屋根の換気には特に注意して設計監理しています。
どんなに高価な断熱材を使っても、断熱材自体に蓄熱された熱を逃してやらないと、断熱材の性能が活かし切れないからです。
通気層はあってもどん詰りになっていたり、申し訳程度にしか換気量がとれていなかったりと、ここらへんがしっかり施工されていない現場が結構あります。
まぁ、地味だし、説明しないと施主ですら気付かないところだけど。
他の部分もそうだけど、こういう見えにくい所をしっかりやって納得してるのは なんというか、自己満足に近いのかもしれません。
でも、何をやるにも施主のお金が使われている訳だから、費用対効果は考えて設計しなければならない。そして、施主にもちゃんと納得してもらって、「この家はここが違うんだ」ってニヤニヤしてほしい。