突板のはなし。
突板とは、無垢材を薄くスライスしたものをベニヤに接着貼りした板材のこと。
無垢材の厚さは、薄つきから特厚まで様々ですが、一般的には0.2mm程度で、はがきのような薄さです。
何に使うかというと、僕の事務所では主に内部の木製建具や家具等に使用します。
無垢板と比べ 突板を使うメリットとしては、軽量化やコストの大幅な削減ができるので、今の建築には切っても切り離せない存在です。
(ビニル系シートを多用している建築にはあまり必要ないかもしれませんが)
で、この突板、資源の有効利用という意味でも非常に効果はあるのですが・・・。
「綺麗すぎる・・・。」
と、ずっと気になっていました。
まぁ、別に汚いのが好きなわけではないのですが、綺麗すぎて作り物臭いというか・・・まぁ作り物なんですが。
それに、幅9~24cm程度のほぼ同じ木目の突板シートを連続してベニヤに貼っていくので、同じパターンの繰り返しになり、大きな面積になるとちょっとうっとおしいなと思っていました。
で、いろいろ試行錯誤してもらい、もっと自然な感じに見える突板を作ってもらいました。
基本的に板目の原木から作ってもらいましたが、端の柾目に近い部分をメインにしています。
好みもあると思いますが良い感じです。
こちらは中板目のランダム貼りのパターン。
こちらは板目の端部を使って柾目っぽい感じのパターン(板目の端の方)
ギリギリまで試行錯誤していたので、突板の選定にかなり時間を使ってしまった。
その分、制作期間が短くなってしまい申し訳ないのですが、何とかなりそうです。
今はサンプルのみだけど、実際に建具や家具になるのが楽しみです。