外を内に取り込む。

「外を内に取り込む。」
設計において、いつも気を使っていることです。
「外」といっても敷地外の借景もありますが、今回は敷地内のお話。

敷地の中で建物が建っていない部分…、敷地の余白部分とでもいうのでしょうか。
敷地に余裕がない住宅の方が、この余白部分の役割が大きくなってくると思う。

今回のプロジェクトは「旗竿」型の敷地。
奥の「旗」部分の敷地もあまり広くなく、「竿」の部分にも建築する必要があり 敷地に沿ったL型の住宅。
平面図で見るとかなり窮屈に感じるのですが、実際に建ったときに窮屈感が出ないような工夫もしてあります。

で、話を余白部分に戻すと、敷地に余裕がなく広い庭がとれないのですが、それを逆手にとってます。
濡縁の先に、奥行1.8m/幅7.5mの細長い庭に余白部分を集中確保して、リビングとダイニングで囲んでます。
写真ピンボケ気味ですが…。


植栽が建物に接近しているので、家の中からは庭というより植栽を眺める感覚で、新芽の芽吹きや紅葉への移り変わりが 暮らしの中で身近に感じることが出来ます。
また、ダイニングから見ると、奥行が7.5mの庭になるので、リビングから見たときとは趣の異なる奥行感のある庭になります。

四季のある日本では「外」は「内」に比べて変化の大きい環境です。
それを暮らしの中に取り込んで、感じ取ってもらえたらうれしい。
…なんて思いながら設計しています。

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