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耐震性能

耐震性能

許容応力度計算を軸に、制振装置の位置づけまで含めて検討する

許容応力度計算での検討が重要です
木造住宅を構造検討する場合、一般的に3つのルートがあります。

許容応力度計算で大きな吹抜でも耐震性能を確保

どれで検討しても建築基準法上は建築できます。ただ、以下の点を理解してほしいのです。

1つは、③の仕様規定は建築基準法施行令に記されている検討方法だが、大前提として建築基準法は十分な内容ではなく、必要最低限の内容を法制化したものです。

なので、大きな地震が来た時に「1回は倒壊せずになんとか耐える」というレベルのもので、2度目の地震(余震含め)には耐えられない可能性が高いですし、そもそもそのまま住み続ける事はできない可能性が高いという事です(1回は命を守るが、資産は守れないというレベル)。

また、多くの場合、積雪も考慮されていません。(令和7年の法改正時に、積雪考慮を義務化する流れでしたが、法改正直前でなし崩しになり、積雪考慮なしでも確認申請が通るようになってしまった。積雪考慮が義務になると、多くの会社で、壁量だけでなく柱の座屈等でもNGになり、確認申請が通らない可能性がある)

もう一つは、耐震等級についてです。
耐震等級は1~3の3段階あり、3が最も高いとされています。ただ、どのルートで検討するかで、耐震性能に大きな差がでます。下の図で示すように、②の品確法で検討した耐震等級3より、①の構造計算で検討した耐震等級2の方が強いのです。(令和8年2月時点)

構造別強度ランク

同じ耐震等級でも、どのルートで検討するかで耐震性能が変わるという不思議な状況になっています。

もちろん僕たちは①の構造計算(許容応力度計算)にて検討しています。
ちなみに構造計算と呼べるのは、この3つのルートでは①の許容応力度計算のみです。

当事務所では特に施主からの要望がない場合、許容応力度計算にて「積雪1mで耐震等級2」をスタンダードとしています。これは多くの場合、「無積雪で耐震等級3」より耐震性能は高いです。

つまり無積雪時は耐震等級3をクリアしているという事です(計算でも必ず確認しています)
これは、福井では、積雪が1mに達することは稀で、年間を通して屋根に積雪がある期間がかなり少ないことを考慮し間取りの自由度とのバランスをとっている為です。

もちろん、「積雪1mで耐震等級3」も可能です。その場合、コストは大きく変わりませんが、壁が増える等はあり得ますので、プランニング前段階で意思表示して頂いた方が、後から壁が追加になる可能性が低いです。

制振装置は必要か?
これは、もちろんあった方が良いという当たり前の回答になりますが、性能がしっかりしたものだと、それなりに高額になります。(規模によるが50~80万円)

そこで、制振装置の役割を考えて検討して頂ければと思います。

すごくざっくり言うと…
耐震性能→建物を固めて地震力に対抗する。
制振装置→建物の傾きの角度を抑えて、耐力壁の損傷を軽減する。
となります。

もうちょっと詳しく話すと、自信が起きると建物は揺れに合わせて傾きます。
この傾きが一定以上になると建物は倒壊します。

それに対抗するのが耐力壁です。ただ、耐力壁があっても傾きが無くなるわけではありません。地震で建物が傾けば、耐力面材は止付けている釘が引き抜かれながらも対抗しています。

ですが、地震前より耐力は弱くなるので、次の地震ではより傾きます。釘も更に引き抜かれたり、破断したりしていきます。このように地震が繰り返されるたびに弱くなっていきます。

これは耐力面材に限らず、筋交いにも言えます。

制振装置はその揺れ自体を抑制するので、耐力壁の損傷が軽減されるという事です。

つまり、単純に繰り返し地震に強くなる。と言えます。

ただ、本震なみの余震が相次いだ2016年の熊本地震(震度7、M7.3)では制振装置なしでも耐震等級3はほぼ無被害でしたので、過剰に心配する必要なないかも知れませんが、方向性としてはそういうことになります。

耐震と制振の違い

ただ、注意点が2つ

1.制振装置はピンキリです。
それぞれの特性により、硬く、建物がかなり傾かないと性能を発揮しない物もあります。それは制振装置の本旨からずれていると考えています。
もちろん硬いことは耐震性能にも寄与するのですが、それをわざわざ高額な制振装置でやる必要はありません。
数千円の構造用合板で事足ります。

2.優先順位は耐震性能>制振装置。
あくまで制振装置は耐震性能の低下を抑える装置という位置づけと考えています。
ですので、元となる耐震性能が低いのでは意味がありません。
まずは、耐震性能を上げて、それでも予算が届きそうなら制振装置を検討する。という順番になると思います。

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